Motorcycle

YAMAHA Bobby vol. 05

初めてバイクレストアの真似事を経験して知った事の一つが復旧出来る部品と出来ない部品が有ると言う事。
特にゴム製の部品、タイヤ等はそのサイズが手に入らない事にはどうしようもない。Bobbyの4.00-10等は
まだ製品としてリリースされているので購入出来るし、最悪カタログ落ちしても若干異サイズなのを我慢
すればスクーター用タイヤから代替タイヤも探せるが、同じYAMAHAのGR50/80あたりの などはそのプロ
ポーションに全く似合わないブロックパターン一択しか無いしそれも風前の灯状態だ‥
機械部品なら完全オリジナルに拘らない限り流用を模索したり部品によっては自作や鉄工所の知り合いに
頼めない事も無いがゴム製品の自作と言うのはかなり難しい。

その意味で今回役に立ったのがロックタイトの「黒ゴム接着剤」、チューブ入りの黒いボンドといった感じで
隙間の空いた長靴や底革の剥がれかけた靴の修理等に活用される。これを本来の使い方とは違うが、ガラス
容器に適量絞り出しこれにシンナー類(ラッカー薄め液)を本剤の半分〜3倍程度足し、念入りにかき混ぜる、
念入りにかき混ぜる(大事な事なので2回言いましたw)

これを筆でひび割れたり小さな穴が空いたりした古いゴム部品の損傷部を中心に塗り込んでゆく。乾燥まで
粘度や気温によって開きがあるが数時間〜1日で安定する。これでもう手に入らない廃盤になったFフォーク
のダストカバーや各種グロメット類が多数復活出来た。

 

さて、各部品もそこそこ美装から上がりエンジンの方も一応動くようになった。最後ではないが一応、美装の
クライマックス、ボディの塗装である。塗装とはせずに古いステッカーを剥がした後、コンパウンドで磨きこ
んでオリジナル塗装を活かしても良かったのだが、この時はまだ磨き込み自体未経験だったしあちらこちら錆
による5mm~10mm程度の塗装剥がれが多かったので錆部分をペーパーがけした後筆塗りで補修、全体を
オールペイントする事とした。今思えば磨き込みが出来ないのに塗装という選択も大概だったように思う。

ともあれステッカー剥がしだがこれが又エラく難儀だった。ある意味今回のレストアで一番苦労したのでは
ないかw? 40年から時が経った塩化ビニール?は硬化・収縮が激しくいたる所で亀裂模様を描きそのまま
一個の樹脂の如く硬くへばり付いている。ヒートガンで少々熱しても緩くならず樹脂ヘラでめくろうにも
中々言う事を聞いてくれない。ようやく端が起き上がっても3mm単位で切れてしまったりする。表裏2対剥
がすのに丸2日以上かかってしまった・・。

 

さてそして、塗装・・・  はいその通りスプレー缶塗装です。コンプレッサーなんか持っちゃぁいない。外注
するような予算は無い。手で塗るのはあんまりだ。 ・・となればスプレー缶塗装、当然の帰結ですな・・

柚子肌? いやいやこれは八朔?夏みかん肌? 中々壮烈な状態です。
さもありなん、オリジナルの塗装をペーパーで足付けて脱脂してその上から吹いただけですから・・ 手を抜こう
として余計に手が掛かる格好の見本です。情けない・・1000番のペーパーでゴシゴシ水研ぎ・・・・何回塗りなおして
も中々綺麗にはなりません。基本・土台の大切さを軽んじたツケです。 マァ程々のところで手を打ちましょう・・
因みに使用したスプレー缶は関ペの「油性シリコンラッカースプレー」のイエロー

手に入る黄色の中でオリジナルの塗色に一番近かったのとある程度の塗膜の丈夫さで選びました。
塗装後、コンパウンドである程度慣らし軽く脱脂、1週間程放置の後。2液ウレタンクリアスプレーで上塗りして
仕上げた。ウレタンクリアは塗膜が厚く光沢も良いので下手くそな塗装でもある程度ごまかしてくれる。
有り難ーいアイテムだ。一応パッと見は新車のような雰囲気になったのだった・・w。


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